こんにちは。ピーコックブルーです。

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2016年もあとわずか。
今年はこんな年だったなぁ~と振り返りながらも
気持ちはすでに新年の先にシフトしている頃…。
クリスマスイルミネーションの煌めきが終わると、
一気に新年を迎える準備に忙しくなりますね。

さて今回は、訪れる機会があればぜひ観てほしい
世界遺産、春日大社(奈良市)の20年に1度の
「式年造替」(しきねんぞうたい)でより美しく鮮やかになった
社殿の「色」について書きたいと思います。

神さまがお社ごと引っ越されることを「遷宮」といいますが、
春日大社では国宝に指定されている本殿の場所はそのままで
建て替え、修復を行うため「造替」と言います。
奈良時代768年の創建以来、ほぼ20年に1度
第60回を迎える今回は昨年3月から今年の11月にかけて
とり行われてきました。

私たちが多く目にする身近な寺社の鳥居や柱などの赤く塗られた
朱塗りには使われる顔料によって色みが異なり
水銀を含む鉱物から作られる、やや黄みの鮮やかな赤の「朱」
鉛を熱して生成する、赤みの強い橙色の「鉛丹(えんたん)」
鉄鉱物から作られる、やや茶色がかった赤の「弁柄(ベンガラ)」
が主に使われています。

一般的にはその殆どが鉛丹弁柄とのことですが、
この春日大社はきわめて特別!
4棟からなるご本殿と若宮神社だけに許された色があり、ここには
大変希少な本朱(ほんしゅ)と呼ばれる水銀を使った鮮やかな赤色
顔料が100%使われているといいます。

201612-1-中門 
中門

201612-2-後殿御門
後殿御門(右がアップ写真)

写真はご本殿の修復が無事に終わり、神様がご本殿に戻ってこられる
本殿遷座祭(ほんでんせんざさい)の奉祝行事が行われた先月に
撮ったものです。
お参りされる方がよくご本殿と間違っている中門と
ご本殿の真後ろにあるお庭の後殿(うしろどの)御門の参拝所です。

中門の正面からその奥にあるご本殿の写真は禁止されていますので
後殿御門からの写真となりますが、少し見えるご本殿の柱の色と
よく見比べてみてください。
微妙にその色みの違いが見てとれるかと思います。

またこのご本殿の本朱は、数年たつと
渋みと深みのある赤に変わっていくとのこと。

古代では、死者の鎮魂と再生を願って古墳の内壁や遺骨に
朱を塗ることが行われてきました。
「赤」や「朱色」は太陽の色、血の色に通じ、魔力・災厄を防いで
くれる神聖な色として崇められ、慶事には今でも欠かせない色と
なっています。
そして赤色顔料に含まれるサビ止め、防腐作用があることからも
古くから神社仏閣に使われています。


201612-3-釣燈籠

春日大社ではこの先も式年造替に関わる特別参拝や行事が
続き、広い境内にある石燈籠と釣燈籠約3000基すべてに浄火
が灯される幻想的な万燈籠も見どころです。
http://www.kasugataisha.or.jp/zoutai/index.html

顔料の違いによって異なる色あい。
境内の鳥居からすべて塗り替えられ、美しく目に映える色と
極めて特別な鮮やかな本朱の色を、ぜひお楽しみください。