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今年の10月は、街がオレンジになるようなハロウィン
のディスプレイが目を引きましたが…、
ハロウィンが終わると一気に12月仕様!
近くの商店街では、もうクリスマスソングが…。
季節の移り変わり、イベントの先取りが年々早くなるなぁ…
とクリスマスソングに耳を傾けてしまう漆黒です
近年、クリスマスのイルミネーションは「青系」の色が
使われ、「幻想的」「静寂」「純粋」な雰囲気を演出し、
子供たちのイベントのみならず、大人も楽しめる
イベントとして定着しましたね。

そんな雰囲気にピッタリの「冬の青 」はウルトラマリンブルーではないでしょうか。

「ウルトラマリンブルー(Ultra marine blue)」は、
海を越えてきた青」。
原料は、「ラピスラズリ」という宝石
和名では「瑠璃(るり)」「天藍石(てんらんせき)」と
呼ばれ、夜空のような深い青の輝きを放つ石です。
その石を粉末にして顔料にした色が
ウルトラマリンブルー」。(なんて、贅沢

顔料として使われ始めたのは、6~7世紀頃の
アフガニスタン
ラピスラズリの原産地だったその土地の寺院の洞窟画で使われたのが最初といわれ、
世界初の鉱物を使った顔料なんだそうです。
14~15世紀頃になると、金色や朱色を引き立たせる補色として重宝されましたが、
ヨーロッパではラピスラズリは採れなかったため、アフガニスタンからの
輸入がこの「青」を手に入れる唯一の方法でした。
を渡って届いた青であることから、「ウルトラマリンブルー」という名前がつき、
金と同等に交換するほど高価な青として有名になりました。

「ウルトラマリンブルー」の魅力は、その鮮烈な青の色だけでなく、太陽光や油にも
劣化しにくいという特性もそのひとつでした。
そのため、当時の画家達が欲しがる「青」だったんですが、高くて買えない…。
その高価さから高貴な色ともされ、マリア様のマントの色など、
神聖なものや高貴な人の肖像などに使われていました。

この高価な「青」を使った人物として有名なのが
オランダの画家「フェルメール」。
フェルメールが使った「青」は「フェルメール・ブルー」
という名前がつけられたほどに、この方は一塗り一万円
もするこの「青」を惜しげもなく作品に使いました。
青空の雲を描くための下塗りや白いドレスの
下塗りに使うほどに…。

以前、フェルメールの絵を見たときに「これが一塗り1万円…」と頭をよぎってしまいましたが、
その「青」はやはり「魅惑の青」でした。
何と表現していいのか…。「目が離せないほどに吸い込まれるような青」
と言ったら良いのでしょうか?
機会がありましたら、ぜひ「ウルトラマリンブルーの魅力」を体感してみてください

私『漆黒』は、年末にでもコタツで温々としながらフェルメールの生涯を描いたDVD
を観て「ウルトラマリンブルー」の感動を思い出すことにします